GPU Reflow(グラフィックカードの修理)

 今回はDeep Learningと縁が深い「グラフィックカード」を「リフロー」という方法でDIY修理する手順についてです。


今年、オークションに出ていた「ASUS GeForce GTX Titan Black (6GB Memory)」という、2014年にリリースされた当時の一般向け最上級グラフィックカードの古商品を買いました。出品者さんによると普通にゲーム用PCに組み込んで使っていたが、画面にシマシマが出て正常に使えなくなってしまったとのこと。衝撃が加わるような使い方はほぼされない電子部品であり、かつ非常に多くの熱を発する精密電子機器なので、おそらく(オーバークロック等の)過度な熱によるハンダの微細な剥離が原因では無いかと仮定して、自分で修理することを前提に購入しました。

 まず、正常に稼働するWindows10のデスクトップに購入したグラフィックカードを差し込んで電源を入れたところ、PCのOS自体が立ち上がらなくなりました。Safe Modeで起動すると解像度640×480程度の初代ファミコンのような画面で立ち上がりましたが、デバイスマネージャで見ると正常にグラフィックカードを認識できていない状態が伺えました。

 上記の現象から、「基板上のどこに問題があるかわからないが、まずはGPU周辺を重点的にリフロー(加熱して基板とハンダと部品の密着を再び強めること)を行う方針を取りました。

1. 分解

 ネジを外して分解し基板ができるだけ露出するようにする。ネジは六角ネジとプラスネジの2種類が使われているので六角レンチとプラスドライバーが必要です。

2. 洗浄

 クレ工業のコンタクト・スプレー(電子部品の洗浄と接点復活)で基板と電子部品をジェット噴射で洗浄する。手荒れするのでビニール手袋等をして作業しましょう。

3. 乾燥

 15分ほど寒気の良い場所で乾燥させます。コンタクト・スプレーには揮発性の溶剤が使われているので、必ず寒気の良い部屋で行いましょう。

4. 保護

 GPU周辺の電子部品を隠して、GPUだけが露出するようにアルミフォイルで基板を覆う。

5. フラックスの流し込み

 「プリント基板フラックス」という、昔であればマツヤニで行っていた「ハンダが基板に着きやすくなるように」という液体を、GPUと基板の隙間にタップリと流し込む。キャップにはハケがついているので、何度もハケにフラックスを付けて隙間にチョボチョボと表面張力の力を借りて流し込んでいく。

6. 熱風を当てる

 ヒートガンでGPU全体に均一に200度ほどの熱風が当たるように、ゆっくり縁を描くように熱風を当てる(1分)

7. 冷却

 常温で急がずにゆっくり冷ます。急いで扇風機等の風で冷やすと基板や部品の温度の偏りが生じて変形し、基板や部品そのものに亀裂が入ったり、ハンダが剥離する可能性があるのでゆっくり冷ます。

8. 様子見

 面倒ではあるが加熱しすぎで収集がつかなくなることを避けるため、一度組み立てて、試しにPCに付けてみて、挙動に改善があるかどうか確認(私の場合は1回行った時点でPCの挙動に変化がなかった)。

9. 再実施

 上記の手順1から8を繰り返す。


 という作業を行い、合計2分の熱風照射で直りました。

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