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閑話 – 英会話

 今回は、閑話休題として、我流ではあり僭越ではありますが私なりの英会話向上法を共有したく。

 私は長い間、外資系企業の外人部隊で英語しか話さない外国人のみなさんと仕事をしました。グローバルチームで上司も同僚も海外にいて電話で英語しか話さない環境の時もあり、海外にMBA留学した人たちからは「てっきり海外生活経験者だと思ってた」と何度も言われてきました。自分ではそれほど褒められる程度ではないとは思いますが、仕事をするには事足りている状態です。

しかしながら、私は海外に住んだことも留学したこともありません。英会話学校に通ったこともありません。恥ずかしながら、大学1年を2回していますが、原因は語学の単位を落としたことです。こんな私が「英会話がビジネスレベルにできる人」と評価されるようになった経緯にいくつか思い当たることがあります。

1. 単語・熟語・言い回しはコレクション

 単語・熟語・言い回しはコレクションだと思ってとにかく覚える。ニュースは日頃から英語で聞き、英語で読むようにして、わからない表現があれば調べて覚える。次に英語を話すときに試しに使ってみる。これを繰り返す。

 私がアメリカ西海岸の知人から言われてキョトンでしたが、教えてもらって自分のコレクションに加えて非常に重宝している表現のひとつが「It doesn’t ring a bell with me.」です。直訳すると「私にはそれはベルがならない」ですが、日本的に表現すると「私には思い当たる節はないなぁ」とか「私にはピンとこないなぁ」といった意味です。

 こうして、毎日毎日覚えて試して身につけていきます。

2. 会話では発音とアクセントとリズムが大事

 正直、ネイティブではない我々がネイティブ級の発音で話すことは困難です。しかし、発音やアクセントはできる限り正しく覚えて発音します。特に「アール」と「エル」の発音は頻出するので重要です。「Lover’s Concerto」という曲があるのですが、アールとエルが次々に出てきます。私はこの歌を歌って自分のアールとエルの発音を適切に意識する練習をよくします。車を運転しながらでもできますし。

3. 足りない明瞭さは対比で補う

 モスバーガーでフィッシュバーガーを注文すると「魚のフィッシュバーガーですね?」と確認されたことはありませんか?これは「フレッシュバーガー」との聞き間違えを防ぐための確認です。このように、「Aである」ということを伝える際に「BではなくAである」と対比させて表現をすることで、例え英語の発音やイントネーションが不完全であっても、コンテクスト(文脈)から明瞭さを与えることができます。

 英語で言うと、これは猫ですと言う場合、

「This is a cat.」

 と表現するよりも、

「This is not a dog but a cat.」

 と表現した方が、「犬猫の猫」と言うコンテクストが発生して伝わりやすくなります。

4. 言葉を訳すのではなく意味を訳す

 英語には英語の表現があり、日本語には日本語の表現があります。例えば、

「He said to me ‘you must lay down the past’.」

 という英語があったとします。日本語にそのまま訳すと「彼は『過去を捨てなければならない』と言った」になりますが、日本語として理解する上では不適当です。この文面で言いたいのは、「過去に拘らずに新たな視点で」ということであり、このような意味を日本語の表現では「過去は水に流さなければならない」と表現します。

 このように、英単語を日本語に訳すのではなく、その言葉が伝えるメッセージを考えるのが大切です。逆に日本語を英語で表現する場合、例えば、

「ちゃんと勉強しないと試験に落ちるよ」

という日本語を見ると、日本人は1つの文で英語にしなくてはいけないという強迫観念を感じるようです。しかしながら、私だったら、

「Study hard. Otherwise you will fail the exam.」

 と2つの文で表現します。このように英語と日本の切り替えは言葉の切り替えではなく「意味の切り替え」です。


 自己流の英会話上達術を書きましたが、ご参考までに。一番の原動力は、自分は自分と異なることや知らないことに接するのが好きだったことかと思います。

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