Deep Learning - Digital Imaging - Hardware

CPUをi7-930からXeon X5672へアップグレード

 通常処理の高速化と消費電力の低減を目的に自宅のDeep Learning用マシンのCPUをi7-930からXeon X5672にアップグレードしました。

目的1:通常作業の気軽な高速化

 Deep Learningに関する一連の処理は「高速なGPUを装備すると速くなる」とステレオタイプに認識されている節がありますが、意外とCPUの処理速度も影響する場合があります。NLPと呼ばれる「Natural Language Processing(自然言語処理)」への適用ではそれほどCPU負荷がかかる処理は(相対的に見て)無いですが、画像や動画を扱う「CV(Computer Vision)」の分野では、学習データの前処理や後処理にGPUではなくCPUを使う重い処理が発生します(例:動画をフレームごとに分割保存したり、フレームを連結してエンコードする作業)。

 正確に言えば、動画処理でポピュラーなffmpegで言えば、上記の前後処理をする場合にGPUで処理してねと言うオプションを意図的に指定すればできなくは無いのですが、多くの処理は通常はCPUで処理が行われます。

 このようなNeural Networkのトレーニング処理以外も気軽に高速化したくCPUをアップグレードしました。CPUのクロックで言うと単純には2.8GHzから3.2GHzへと変わることで1.15倍程度の処理能力アップが想定されましたが、実際にはL3キャッシュが8MBから12MBに大きくなったことやバススピードが4.8GT/sから6.4GT/sになったことなどを加味してか、1.25倍程度の処理能力アップが得られました。

目的2:省電力化・耐熱性強化

 Deep Learningではマシンを数日から一週間の間、電源を入れっぱなしで処理を行うことが多々あります。これによる消費電力と熱の影響は、非常に大きな問題では無いとはいえ、積み重なれば大きな違いになります。また、現時点では冬なので熱の排出には労を要しませんが、夏場には大きな影響が発生するでしょう。

 上記の理由から、消費電力(TDP)が130Wであったi7-930から、95WのXeon X5672へアップグレードしました。なお、CPUコアの耐熱温度上限も67.9°Cから82.9°Cへと15°Cほど上がり、熱暴走の可能性を低減できました。

ちなみに:ハンパなく安い

 購入した中古のXeon X5672は2個で1,500円というべらぼうな安さでした。CPUソケットがLGA1366なのでスペックの向上には限度がありますが、それでも1,500円で25%の処理能力アップを得られたのは十分なコストパフォーマンスでしょう。なお、CPUを差し替えた時点ではマザーボードがCPUを認識せずOSが立ち上がりませんでしたが、BIOSを最新のものにアップデートして認識させました。


 べらぼうな費用をかけなくてもDeep Learningは自宅でも楽しめます。無駄にお金を使わないよう工夫して楽しみましょう。

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