Incoterms

インコタームズについてはWikiPediaでの説明がよくまとまっているので、下記に転載する。

インコタームズ (Incoterms) とは、国際商業会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) が策定した貿易条件の定義である。1936年以降策定されているが、近年は10年ごとに改正を重ね、Incoterms2010は2011年1月1日から、最新版のIncoterms2020は2019年に発効した。名称はInternationalの’In’、フランス語のCommerce(Trade)の’co’、それに’Terms’を組み合わせた略称。

貿易取引における運賃、保険料、リスク(損失責任)負担等の条件に関する売主と買主の合意内容について、国によって用語の解釈に不一致があると貿易が円滑に行われないため、国際的に統一的な定義を取り決めたもの。 任意規則であるため、強制力はなく、貿易取引の契約書に「本契約で使用されている貿易条件は、インコタームズ2000によって解釈する」というような約款を入れることが一般的である。また、両当事者が合意すれば、例えば1990年度版や2020年版に準拠することも自由にできる。

すなわち、インコタームズとは貿易上の責任範囲を明確にする条件定義である。cXML仕様書ではこれまでに発行されたインコタームズの各バージョンごとの相違については言及されていないが、実際にインコタームズに則って貿易条件への合意を形成する場合は「インコタームズ2010によって解釈する」などのように明示する必要がある。別の言い方をすれば、現時点でインコタームズ2020が発行されている最新版ではあるが、双方の合意に基づくのであればインコータームズ2010によって解釈することも可能と言うこと。この観点から、cXMLが定義された1999年以降に発行された、インコタームズ2000とインコタームズ2010とインコタームズ2020のそれぞれにつき要点を記載する。

※ なお、積荷の出発から到着までの輸送経路は下記の通り。

 倉庫・工場 → 輸出国国内運送 → コンテナターミナル → 輸出港埠頭 → 輸出港 → 指定仕向港 → 指定仕向地

インコタームズ2000

2000年1月1日に発効したインコタームズ2000では、以下の13の貿易条件が定義され、E、F、CおよびDの四つのグループに分類された。グループの名前は略号の最初の文字で、それだけで条件の概要がわかるようにしてある。Dグループは揚地条件で、他は積地条件である。積地条件でも、Cグループは受け渡し後の費用(輸送費や保険料)も含まれることを意味する。

グループ条件コード説明
Eグループ(出荷)EXW (Ex Works)出荷工場渡し条件。売主は、売主の敷地(工場)で買主に商品を移転し、それ以降の運賃、保険料、リスクの一切は買主が負担する。
Fグループ(主要輸送費抜き)FCA (Free Carrier)運送人渡し条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナヤード等)で商品を運送人に渡すまでの一切の費用とリスクを負担し、それ以降の運賃、保険料、リスクは買主が負担する。
FAS (Free Alongside Ship)船側渡し条件。売主は、積み地の港で本船の横に荷物を着けるまでの費用を負担し、それ以降の費用及びリスクは買主が負担する(売主は、船に積み込む必要はない)
FOB (Free On Board)本船甲板渡し条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用を負担し、それ以降の費用及びリスクは買主が負担する。
Cグループ(主要輸送費込)CFR (C&F Cost and Freight)運賃込み条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用及び海上運賃を負担し、それ以降の保険料及びリスクは買主が負担する。1990年のインコタームズ改正まではC&Fと呼ばれており、現在でもC&Fと呼ばれることがある。
CIF (Cost, Insurance and Freight)運賃・保険料込み条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用、仕向け地までの海上運賃及び保険料を負担し、それ以降のリスクは買主が負担する。
CPT (Carriage Paid To)輸送費込み条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃を負担し、それ以降のコストとリスクは買主が負担する。CPT条件は保険をどちらが付保するのか決めていないが、通常リスクを負担する買主が付保する。
CIP (Carriage and Insurance Paid To)輸送費込み条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃、保険料を負担し、荷揚げ地からのコストとリスクは買主が負担する。
Dグループ(配送)DAF (Delivered At Frontier)国境持ち込み渡し条件。売主は、指定された国境で商品を運送人に渡すまでのリスクとコストを負担する。陸上に国境がない日本では行われない条件。
DES (Delivered Ex Ship)仕向港着船渡し条件。売主は、仕向港までの費用、海上運賃、保険料及びリスクを負担する。仕向港に着船した時点で所有権は買主に移転し、それ以降の費用(関税を含む)は買主が負担する。
DEQ (Delivered Ex Quay)仕向港埠頭渡し条件。売主は、仕向港までの費用、海上運賃、保険料及びリスクを負担する。仕向港で荷降しした時点で所有権は買主に移転し、それ以降の費用(関税を含む)は買主が負担する。
DDU (Delivered Duty Unpaid)仕向地持ち込み渡し・関税抜き条件。売主は、指定された目的地まで商品を送り届けるまでのすべてのコストとリスクを負担するが、輸入通関手続き及び関税については買い主が負担する。
DDP (Delivered Duty Paid)仕向地持ち込み渡し・関税込み条件。売主は、指定された目的地まで商品を送り届けるまでのすべてのコスト(輸入関税を含む)とリスクを負担する。

※ インコタームズ2000およびそれ以前のインコタームズでは、FOB、CFR、CIFについて、「本船に荷物を積み込むまで」とは、厳密には「本船の手すりを越えるまで(the goods pass the ship’s rail)」 の意味である

インコタームズ2010

2011年1月1日にインコタームズ2010が発効された。インコタームズ2010では、従来使用されていた「条件(Terms)」という用語を「規則(Rules)」という用語に置き換えている。また、国内取引にもこれらの規則が適用できることが明記された。

個別の条件については、従来4種類13条件だったものが、2種類11規則(条件)に改定された。2種類とは「あらゆる輸送形態に適した規則 (Rules for Any Mode or Modes of Transport) 」および「海上および内陸水路輸送のための規則(Rules for Sea and Inland Waterway Transport) 」 であり、条件については、従来のDAF、DES、DEQ、DDUの4条件が廃止され、DEQの代わりにDAT(Delivered At Terminal ターミナル持込渡し)、DAF、DES、DDUの代わりにDAP(Delivered At Place 仕向地持込渡し)が新設された。分類と規則については以下のとおりになっている。

グループ条件コード説明
あらゆる輸送形態に適した規則EXW (Ex Works)出荷工場渡し条件。売主は、売主の敷地(工場)で買主に商品を移転し、それ以降の運賃、保険料、リスクの一切は買主が負担する。
FCA (Free Carrier)運送人渡し条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでの一切の費用とリスクを負担し、それ以降の運賃、保険料、リスクは買主が負担する。
CPT (Carriage Paid To)輸送費込み条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃を負担し、それ以降のコストとリスクは買主が負担する。CPT条件は保険をどちらが付保するのか決めていないが、通常リスクを負担する買主が付保する。
CIP (Carriage and Insurance Paid To)輸送費込み条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃、保険料を負担し、荷揚げ地からのコストとリスクは買主が負担する。
DAT (Delivered At Terminal)ターミナル持込渡し。指定された目的地(ターミナル)までのコストとリスクを売主が負担するが、当該仕向地での輸入通関手続き及び関税は買主が負担する。売主は荷降しして貨物を引き渡す。ターミナルとは、埠頭や倉庫、陸上・鉄道・航空輸送ターミナルを意味する。
DAP (Delivered At Place)仕向地持込渡し。DATとほぼ同様であるが、引渡しはターミナル以外の任意の場所における車上・船上であり、荷降しは買主が行う。
DDP (Delivered Duty Paid)仕向地持ち込み渡し・関税込み条件。売主は、指定された目的地まで商品を送り届けるまでのすべてのコスト(輸入関税を含む)とリスクを負担する。
海上および内陸水路輸送のための規則FAS (Free Alongside Ship)船側渡し条件。売主は、積み地の港で本船の横に荷物を着けるまでの費用を負担し、それ以降の費用及びリスクは買主が負担する(売主は、船にまで積み込む必要はない)
FOB (Free On Board)本船甲板渡し条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用を負担し、それ以降の費用及びリスクは買主が負担する。
CFR (C&F Cost and Freight)運賃込み条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用及び海上運賃を負担し、それ以降の保険料及びリスクは買主が負担する。1990年のインコタームズ改正まではC&Fと呼ばれており、現在でもC&Fと呼ばれることがある。C&FからCFRへと名称が変更されたのは、コンピューターの普及に伴い、Shiftのキー操作を必要とする「&」を名称の中に使用することを避けたためである。
CIF (Cost, Insurance and Freight)運賃・保険料込み条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用、海上運賃及び保険料を負担し、それ以降のリスクは買主が負担する。
※ なお、FOB, CFR, CIFについての引渡し時点は、「本船の手すりを越える時点」から、「船上に貨物を置いた時点」に変更された。FAS, FOB, CFR, CIFについては、洋上転売の引渡しについても「貨物を入手することにより(by procuring the goods)」という表現で新たに明記されている。

インコタームズ2020

インコタームズ2020では、2010年以降の取引実務上の進化を反映し、義務項目の並び替え、「まえがき」の充実化、「利用者のための解説ノート」の設置、「義務項目別の対比」の設置、「費用の分担」項目における各種費用の集約化の点において、2010年版からは変化がみられます。

2010年版で登場したDATがなくなり、DPU(Delivered at Place Unloaded:荷卸込持込渡)が新設されました。旧インコタームズ2010におけるDAT(Delivered at Terminal:ターミナル持込渡) 条件は、廃止となりました。 2020年版でDATは、運送手段からの物品の荷卸義務を売主に課し完了した時に引き渡しが完了することをコード名に明記して、DPUとの名称になりました。

グループ条件コード説明
あらゆる輸送形態に適した規則EXW (Ex Works)出荷工場渡し条件。売主は、売主の敷地(工場)で買主に商品を移転し、それ以降の運賃、保険料、リスクの一切は買主が負担する。
FCA (Free Carrier)運送人渡し条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでの一切の費用とリスクを負担し、それ以降の運賃、保険料、リスクは買主が負担する。
CPT (Carriage Paid To)輸送費込み条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃を負担し、それ以降のコストとリスクは買主が負担する。CPT条件は保険をどちらが付保するのか決めていないが、通常リスクを負担する買主が付保する。
CIP (Carriage and Insurance Paid To)輸送費込み条件。売主は、指定された場所(積み地のコンテナ・ヤード等)で商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃、保険料を負担し、荷揚げ地からのコストとリスクは買主が負担する。
DAP (Delivered At Place)仕向地持込渡し。DATとほぼ同様であるが、引渡しはターミナル以外の任意の場所における車上・船上であり、荷降しは買主が行う。
DPU (Delivered at Place Unloaded)荷卸込み持ち込み渡し。指定仕向地で物品が輸送手段から荷卸しされた後買主の処分に委ねられた時、売主が引渡義務(危険移転)を果たす。輸出通関手続きは売主が行う。 売主が荷卸しの危険および費用を負担しないことを当事者が意図している場合には、DAPを使用すべきである。
DDP (Delivered Duty Paid)仕向地持ち込み渡し・関税込み条件。売主は、指定された目的地まで商品を送り届けるまでのすべてのコスト(輸入関税を含む)とリスクを負担する。
海上および内陸水路輸送のための規則FAS (Free Alongside Ship)船側渡し条件。売主は、積み地の港で本船の横に荷物を着けるまでの費用を負担し、それ以降の費用及びリスクは買主が負担する(売主は、船にまで積み込む必要はない)
FOB (Free On Board)本船甲板渡し条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用を負担し、それ以降の費用及びリスクは買主が負担する。
CFR (C&F Cost and Freight)運賃込み条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用及び海上運賃を負担し、それ以降の保険料及びリスクは買主が負担する。1990年のインコタームズ改正まではC&Fと呼ばれており、現在でもC&Fと呼ばれることがある。C&FからCFRへと名称が変更されたのは、コンピューターの普及に伴い、Shiftのキー操作を必要とする「&」を名称の中に使用することを避けたためである。
CIF (Cost, Insurance and Freight)運賃・保険料込み条件。売主は、積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用、海上運賃及び保険料を負担し、それ以降のリスクは買主が負担する。